□ パワステ高圧ホース交換 □

パワステ高圧ホースのオイル漏れ対策として、過去3回に分けて書きました。

パワステ高圧ホースオイル滲み再発：1

パワステ高圧ホースオイル滲み再発：2

パワステ高圧ホースオイル滲み再発：3


3週間ほど（約80km程度走行）経過しましたので、再度点検をしましたが、心配だったニップルのズレ・抜けは当然、ニップル部分からのフルード滲みもありません。
ホースは交換せず、ニップルをホースバンドで締め上げ、アダプターをロウ付けではなく接着しただけの簡単作業ですが、期待以上の効果があったようです。

もう少し様子を見てから作業しても良かったのですが、接着したアダプター部分の接着強度が十分なことは確認出来ましたし、既にホースを発注済でしたので、サクっと交換することにしました。



ホースを交換するためには、パワステポンプ側同様、ステアリングラック側もアダプター化する必要があります。
※タイヤハウス内の右前から見ると、ホースのカシメ部分が確認出来ます。
※ひょうたん型の銅色の部分がカシメ部分です



車両から取り外し、カシメ部分をカットすると、ホース内に20cm程度の補強パイプが入っていました。
まるで自転車のブレーキワイヤーアウターの中身のような、スパイラル状の補強です。
この補強パイプ、パワステポンプ側には無かったので、瞬間的な圧力はポンプ側よりもラック側の方が高いのかもしれませんね。



カシメ部分をカットした以上先に進むしかありませんので、ホース交換の邪魔になる部分はパワステポンプ側同様に、段差から21mmの長さを残しカットします。



パワステポンプ側と同様に、内径10mm、深さ21mmで穴を拡張したSR-13（同径）アダプターを合わせてみるとこんな感じ。
今回も接着しますので、少しでも回転方向の力に対して強くなるよう、アダプターに4本切れ目を入れてある状態です。



アダプター接着から車両組付けまでの画像がありませんが、作業内容はパワステポンプ側と同じです。
ホース側にも軽く切れ目を入れた後、接着面積を極力増やすことを意識し、JB-Weldで接着、外周にもJB-Weldを盛り、整形しました。
※参照→パワステ高圧ホースオイル滲み再発：2

また、見栄えを良くするために、接着部分をシャーシブラックで塗装してあります。


組み付け後の画像ですが、タイヤハウス内のドライブシャフトの前側から見るとこんな感じ。


タイヤハウス内のドライブシャフトの後ろ側から見るとこんな感じ。



ボンネット内ではこのような状態。
今回はパワステポンプ側の接着部分もシャーシブラックで塗装しました。



今回、820mmのホースを購入しましたが、計測ミスしていたようで、実際に必要となる長さは、620mm程度です。
無駄に長いホースを使うことになったため、取り回しが面倒になってしまいましたので、もし同様の作業を行なう場合、600～650mm程度の長さが使いやすいと思います。

作業の注意点としては、ホースの締め付け時にアダプター側をしっかり抑えて回転方向の力を極力掛けない事くらいです。
あと、カプラーの取り外しは、車両に組んである状態の方が作業がしやすいです。
※カプラーは、ハーネスに近い部分の凸をしっかり掴んで引けば外れます


組み付け後、パワステフルードのエア抜き（800cc程度使用）を行い、据え切りなどで圧を掛けてみましたが、フルード滲みなどもなく、ハンドル操作に違和感などもありません。
ラック側の組みバラシは多少面倒ですが、古いホースへニップルを打ち込む労力や、ニップル抜けを心配するよりも、最初からこちらの作業をしていた方が良かったでしょうね。


ということで、パワステ高圧側ホースのフルード滲み対策を格安で行いたい、という奇特な方が真似されるのであれば、今回の「ホース交換」を含む作業をオススメします。
今後ホースからのフルード滲みがあれば、ホース単体の交換が可能ですし、古いホースからニップルが抜ける心配をしなくて済みますからね。


当然ですが、ロウ付けに自信のある方は、アダプターは接着ではなく、素直にロウ付けをオススメします。
しかし、一般的なカセットコンロ用のガスではなく、熱価の高い締め込みタイプのガスとバーナーを使っても、ロウ付けは難しく思える苦手な作業です。


最後に、今回の作業を行う場合に必要となったパーツ・資材を記載しておきます。

清水製作所：SR-13アダプタ：314円（157x2）

JB-Weld：JB-Weld：1146円（使用量約半分）

横浜ゴム：レベックス SWP140 9-620 (両端金具1004)：2962円

パーツ合計：4422円


HONDA：PSF-II：4081円（使用量約800cc）