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5/08/2016

拠点避難所について


行政にて行われた避難所集約計画に基づき、某避難所でも本日拠点避難所が設営されました。

同じ建物内に、拠点避難所と避難所の2つを設置する意味が良くわからないのですが、様々な面で避難者への待遇が違うようで、拠点避難所に入所出来た方と、選定に外れたことで通常の避難所扱いとなる通路に追いやられた方の格差が大きく戸惑っています。

某避難所の場合、意向調査票にて当拠点避難所への入所を希望した人数は303名とのことですが、このうち拠点避難所に入所出来るのは175人。
あとの128人については、通路などの空きスペースを避難所として使うか、お帰りください、とのこと。

この選定に使われたものが、たった1枚の意向調査票。
拠点避難所の入所が許された方々の話を聞くと、書き方にテクニックが必要だったようで、「余震が収まったら家に帰りたい」などの項目にチェックを入れた方は選定から外れているようです。

現状は家に入れない状態ではあっても、余震が収まれば家に帰り、落ち着いて今後の動向を考えたい、という普通の感情を持つ前向きな方は、選定から外れたことになります。

そもそも、帰れる状態の住居があれば、不便な避難所生活などする方は居ないと思うのですが、行政の見方は違うようで、避難所は井戸端会議の集会場とでも考えているのでしょう。
このような行政ですから、選定基準も曖昧過ぎて、各人の選定理由を聞いても明確な回答が得られません。



ちなみに、ガラスで仕切られた拠点避難所(VIPルーム)はこんな感じ。
一般避難者では立ち入りが許されないエリート避難者専用エリアです。


また、選定基準のひとつであるはずの「体の不自由な方やお年寄り」で、何故か拠点避難所への入所選定に漏れた方のため、急遽作られた福祉エリアがこちら。
※この事からも選定基準が曖昧で、十分検討されていないことが良くわかります。



で、選定から外れた一般避難者(拠点避難所以外の通路など)はこのような感じ。
この状態から、様々な物資を調達し快適な場にして行く方が多いようですが、私のマイスペースはダンボールと毛布のみ。
充電などの電源確保と、情報収集のためのネット回線の確保などの目的で得たスペースで、寝るのはトランポですからこれで十分です。



なお、拠点避難所は、土足禁止エリアに作られ、プライバシーを配慮したダンボールの壁や柔らかいマットなども準備されており、避難者としては優遇された環境と言えます。
この拠点避難所を設営するために、少なくとも128人の方が、今まで使っていたエリアから追い出されたわけですが、この拠点避難所のレイアウトが謎。






某避難所内の、ひとつの拠点避難所エリアを見たところ、そのエリアに設営されたダンポールのパーテーションは約60。
通路や壁際などを大きく空け、スペースを有効活用すれば、あと25程は設営出来るほどの余裕のあるレイアウト。
さらに、拠点避難所への選定に漏れた方には、該当エリアには一切立ち入らせないスタンスで運営するとのことですが、ここまで明確に区分けして、格差を付ける必要があるのでしょうか。


個人的意見ですが、避難所というものは、これほど整備される必要はないですし、避難所で優先すべきは環境やプライバシーより、万一の場合に詰め込める数だと思うのですけどね。

今後避難が必要となる地震が発生した場合、この拠点避難所では新たな避難者を受け入れることは出来ず、避難所としては機能しないどころか、この避難所集約計画により、既に128名の方が今まで使っていたエリアから追い出されました。

拠点避難所の選定から外れた数名とお話したのですが、狭い通路で過ごすよりも車中泊に戻る方が良いと判断する方も多いようで、昨日まで挨拶を交わしていた方が、今朝は随分いなくなりました。
少なくとも128名の方がいるはずの通常避難所エリアとしての通路には、現時点で50名ほどしか見掛けません。



震災関連死の責任は行政にある、との話を聞いたことがありますが、今回の避難所集約計画を目の当たりにすることで、その意味が理解出来ました。




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